公立藤岡総合病院 / 附属外来センター

公立藤岡総合病院群初期臨床研修プログラム

1 プログラムの名称

公立藤岡総合病院群初期臨床研修プログラム

公立藤岡総合病院を基幹型臨床研修病院とし、精神科の選択必修科目については、協力型臨床研修病院である医療法人山崎会サンピエール病院で行う。
また、必修科目の地域医療研修については、臨床研修協力施設である公立藤岡総合病院附属外来センター、藤岡市国民健康保険鬼石病院、緩和ケア診療所 いっぽで行う。
さらに選択科目として、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、核医学・画像診療部、病理部については、協力型臨床研修病院である群馬大学医学部附属病院で行い、小児科の選択科目については、群馬県立小児医療センターでも研修を行うことができる。消化器科の選択科目については公立富岡総合病院でも研修を行うことができる。選択科目の地域保健研修については、臨床研修協力施設である群馬県藤岡保健所、介護老人保健施設しらさぎの里で行う。

2 公立藤岡総合病院の特徴

当院の特徴は群馬県の西南部、埼玉県との県境に位置し、構成市町村は藤岡市、高崎市(旧:吉井町)、神流町、上野村で人口は約97,000人、診療圏として構成市町村に加え埼玉県北部を包括する急性期病院として、救急医療・一般医療から高度専門医療までを担う総合病院であり、地域の中核病院としての役割を果たしている。
平成14年4月より入院・外来機能を分離し、入院機能と救急医療に特化した病棟と、人間ドックや訪問看護機能も有する高機能な外来センターが診療の両翼となっている。地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センター、災害拠点病院に指定されており、地域から信頼される病院づくりに取り組んでいる。
地域医師会とは、医療機能分化に共に取り組んでおり、院内の地域医療連携課をとおして地域医療機関との協力・連携を推進しており、医療懇談会・高度医療機器の共同利用・開放型病床の利用も進んでいる。
平成25年度の救急患者は1日平均58.2名、入院患者324.0名(平均在院日数14.4日、病床利用率88.017%)を占める。また、疾患の内容も脳血管障害・冠動脈疾患、小児・新生児などの救急疾患から腫瘍性疾患まで多岐にわたり、診療内容も幅広い。

3 プログラムの目的と特徴

1)目的

将来、プライマリケア、地域医療に対処し得る臨床医、あるいは専門医のいずれを目指すにも必要な医療に関する基本的な態度、技能、知識の習得を目的とする。

2)特徴 

本プログラムは厚生労働省の示す新医師臨床研修制度の研修基準に準拠し、研修目標を設定した。原則として当初の1年間は必修科目として、内科6ヶ月、救急部門3ヶ月、選択必修科目として3ヶ月の研修を行う。選択必修科目は外科、小児科、産婦人科、麻酔科、精神科の内から2科目を履修することとする。
また選択研修期間を利用して、さらに長期に研修することも可能である。
2年次は必修科目として、地域医療1ヶ月の研修を行った後、残りの11ヶ月は選択科目として必修科目、選択必修科目の他、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、臨床検査・病理科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、核医学・画像診療部、病理部、地域保健を設定し、研修医各自が後期研修に向けて研修の充実を図れるようにした。選択科目は1ヶ月単位で研修可能とした。

4 プログラム責任者と参加施設

プログラム責任者 公立藤岡総合病院 副院長兼臨床研修統括部長 塚田 義人
プログラムに参加する施設 基幹型臨床研修病院 公立藤岡総合病院
協力型臨床研修大学病院 群馬大学医学部附属病院
協力型臨床研修病院 群馬県立小児医療センター
公立富岡総合病院
医療法人山崎会 サンピエール病院
臨床研修協力施設 公立藤岡総合病院附属外来センター
群馬県藤岡保健所
介護老人保健施設 しらさぎの里
藤岡市国民健康保険 鬼石病院
緩和ケア診療所 いっぽ

5 プログラムの管理運営

基幹型臨床研修病院及び協力型臨床研修病院並びに臨床研修協力施設の研修責任者を含む研修管理委員会を年数回開催し、研修達成状況や指導等の評価について協議検討するとともに、これに基づいて次年度の研修プログラムについても必要な修正を行う。
研修目標は臨床研修の到達目標(「Ⅰ行動目標、Ⅱ経験目標」)と各科研修プログラムに分かれており、必修科目を研修すれば、到達目標に定める必修項目を達成できる内容である。

6 研修計画

  1. 研修期間 2年間
  2. 研修期間割 総合診療コース(基本)
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
1年次 内科 救急部門 選択
必修
選択必修
2年次 地域
医療
選択研修
  1. 研修医によってローテーションの順序が異なる。
  2. 1年次に必修科目として内科6ヶ月、救急部門3ヶ月、選択必修科目として3ヶ月の研修を行う。
  3. 内科では、2ヶ月間を1タームとし、計3ターム(内科Ⅰ【循環器】、内科Ⅱ【呼吸器・血液】、内科Ⅲ【腎臓・リウマチ・消化器】)の研修を行う。
  4. 選択必修科目は、外科、小児科、産婦人科、麻酔科、精神科の内から、2科目を履修することとする。また選択研修期間を利用して、さらに長期に研修することも可能である。
    ・外科:2ヶ月、小児科:2ヶ月、産婦人科:1ヶ月、麻酔科:1ヶ月、精神科(サンピエール病院):1ヶ月
  5. 2年次は必修科目として、地域医療1ヶ月の研修を行った後、選択科目として必修科目、選択必修科目の他、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、臨床検査・病理科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、核医学・画像診療部、病理部、地域保健を11ヶ月設定する。
  6. 選択科目は1ヶ月単位で研修可能とした。

各科研修内容

内科 専門領域にとらわれることなく、内科全般の基礎知識の修得、幅広い臨床経験とともに、自ら学ぶ態度、データを収集・整理して統合する能力および総合的に問題を解決しうる能力を育てることを目標にしている。内科は他の専門分科の土台であることから、内科研修ではその後臨床医として成長するために必要な基礎を構築することが重要である。したがって、病棟では専門医資格を持つ指導医とともに豊富な症例数と様々な種類の疾患を経験する。また、カンファレンス、症例検討会、抄読会、院内での学術講演会などに参加し、貴重な症例を受け持った場合には内科学会地方会等で症例報告を行う。プライマリケアの研修にも積極的に取り組み、幅広い診察技術を身につけ、さらに患者や家族に全人的にアプローチできる感性の高い医師を育成すべく指導している。
救急部門 医療の細分化、高度化によりその専門分野での習得すべき知識、技能は極めて膨大である。その一方、初期救急医療の基本的診断、処置技術はすべての医師が習得すべきものである。救急医学の研修においては、初期救急医療現場における必要最低限の診断、治療技術を身につけ、1次から3次までのあらゆる救急患者の初期医療に対応できることを目標とし、研修を行う。
地域医療(生活習慣病・在宅医療研修コース ①特定健康診査、特定保健指導を実践する。
②人間ドック、生活習慣病健診、脳ドック、肺ドック、乳がん・甲状腺がん検診等の健診、検診を実践する。
③上部消化器内視鏡の手技を学ぶ。
④胸部X線検査、胃バリウム検査、マンモグラフィー、肺CT、脳MRI・MRAなどの読影、心電図、腹部エコー、頚動脈エコー等の診断を学ぶ。
⑤訪問看護ステーション「はるかぜ」で在宅医療、介護、終末期医療を体験する。
⑥訪問リハビリテーションを体験する。
⑦地域医療連携課を通して、地域の診療所医師と共に地域医療連携について、研修する。研修は、臨床研修協力施設である公立藤岡総合病院附属外来センターで行う。
地域医療(地域包括医療研修コース) 地域におけるプライマリケアなど、日常的な医療を中心にすえて、一次予防を含む健康づくりから福祉、介護に至るまで一連の継続性のもとに、全人的医療を担う医師の役割について習得することを基本理念とする。研修は、臨床研修協力施設である藤岡市国民健康保険鬼石病院で行う。
外科 日常診療で必要な外科的疾患の診断および処置(プライマリーケア)を的確に施行できることを目的として、基本的な外科手技および診療能力を修得する。さらに実際の検査、手術、術前術後管理、合併症の治療を経験し、より幅広い外科的知識や手技、診療能力を修得する。
小児科 小児科の診療内容は、血液、呼吸器・アレルギー、感染免疫、消化器、循環器、神経、内分泌、腎臓、新生児と、小児の内科全域および周産期・新生児の医療まで多岐にわたる。研修では、小児及び小児科診療の特性を学び経験し基本的な診察・処置等を自ら実践できることを目標とする。即ち、複数の指導医の下で入院患者を数名受け持ち、患児・家族との関係構築、診察手技、診療基本手技(新生児・乳幼児の採血、血管確保、注射等)、カルテの記載、カンファレンス・回診での症例呈示、検査結果の評価、検査・治療計画作成等を行う。また、小児の初期救急を担当できる様に、救急疾患、薬用量、補液量、検査基準値等、年齢により異なる必須知識を習得する。研修の指導は小児科学会専門医により行われる。
産婦人科 思春期、成熟期、更年期の生理的、肉体的、精神的変化は女性特有のものである。女性の加齢と性周期に伴うホルモン環境の変化を理解するとともに、それらの失調に起因する諸々の疾患に対する系統的診断と治療を研修する。また、これらの女性特有の疾患を有する患者を全人的に理解し対応する態度を学ぶことはリプロダクティブヘルスへの配慮、女性のQOL向上を目指したヘルスケアといった21世紀の医療に対する社会の要請に応えるもので、すべての医師にとって必要なことである。
麻酔科 麻酔科の主な診療業務は麻酔と手術を受ける患者の全身管理と疼痛治療であるが、大きな手術を受けた患者の術後管理、重症患者の集中治療、難治性疼痛患者のペインクリニックと幅広い。手術を受ける患者の評価にあたっては、手術対象となる疾患ばかりでなく、合併症に関する幅広い知識が要求される。麻酔管理では、秒単位で変化する患者の呼吸・循環状態に即応するための的確な診断・処置能力が養われる。研修指導を行う医師はすべて日本麻酔科学会認定の麻酔科専門医であり、指導体制は整備されている。 精神科 臨床医として、患者を全人的にとらえる基本姿勢、態度を身につけるために、患者の持つ問題を身体面のみならず、精神面からも理解する。さらに、精神科の診断・治療にかかわるだけでなく、医療場面における患者・家族・スタッフの心理と行動の問題への理解と対応を身につけることは、全ての臨床医にとって不可欠なことと思われる。それらの知識・態度・技能を習得することを目的とする。研修は、協力型臨床研修病院であるサンピエール病院で行う。
整形外科 整形外科の主な診療業務は四肢の骨・関節と神経・筋・腱及び脊椎・脊髄を含めた運動器疾患の治療である。ギブスに代表される保存療法から骨折、脱臼の整復固定の手術療法や人口関節を含めた関節形成術、マイクロサージャリーを含めた手の外科手術まで幅広い治療を行う。扱う疾患は、スポーツや通事故そして高齢化に伴う骨折などの外傷、そして高齢化社会を反映した脊椎や各関節の変性疾患、さらに初期治療の重要な感染症疾患が含まれる。さらに全身疾患として、関節リウマチに代表される炎症疾患や骨肉種等悪性腫瘍を含めた骨、軟部腫瘍病変が含まれ、運動器に愁訴を持つ患者に対する治療には系統だった幅広い知識が要求される。複数の疾患の患者を受け持ち、診断から手術まで参加することにより、運動器としての関節や骨、筋肉や腱、神経の機能の重要性を学ぶ。研修指導を行う医師は全て日本整形外科学会認定の整形外科専門医であり、指導体制は整備されている。
脳神経外科

脳血管障害(脳梗塞、くも膜下出血、脳出血、脳血管奇形)、頭部外傷などの救急疾患や、脳腫瘍、中枢神経感染症、脊髄疾患、小児先天奇形などの脳神経外科疾患の基本的な診察、手技が行える力量を身につける。研修指導医は日本脳神経外科専門医であり、指導体制は整備されている。

泌尿器科 当院泌尿器科では、ほぼ全ての泌尿器科疾患に対応している。特に尿路結石治療については、低侵襲治療である体外衝撃波治療を中心に行い、食事療法、ライフスタイルを考えた予防にも力を入れている。また、泌尿器科癌では、診断、手術だけでなく疾患の状況に対応していく事を心がけ、緩和医療もとり入れ、安心して生活できることを念頭に診療をしている。高齢で合併症を持つ患者さんが多いため、泌尿器科単独疾患の知識だけではなく、幅広い知識が要求され、養われる。研修医は、泌尿器科指導医・専門医とチームを作り、チームの一員として患者さんの日々の診療や手術に参加する。
臨床検査・病理科 臨床検査・病理科では、適切な検体採取法及び取り扱い、心電図・エコー・肺機能などの生理機能検査、グラム染色や薬剤感受性検査を含む細菌検査、血液型判定・交差適合試験などの輸血検査、抹消血及び骨髄像、その他血液・生化・免疫・遺伝子学的検査などの一部又は全てを修得し、EBMに基づいた医療を実践できる医師の養成を目指す。希望者には病理組織診・細胞診の補助及び実践が可能で、指導医と一緒に鏡顕し、報告書を作製する。また、助手として病理解剖を行い、病理解剖学的診断書を作製し、臨床病理検討会(CPC)で発表する。
皮膚科 主に湿疹・皮膚炎、皮膚感染症、蕁麻疹、薬疹など他科においても遭遇する機会の多い疾患や膠原病、自己免疫性水胞症、皮膚悪性腫瘍など皮膚科専門医に委ねるべき疾患について学ぶ。毎週行われる臨床・病理組織カンファレンスと外来カンファレンスを通して、数多くの症例から学ぶことができる。このような機会を通じて、主治医とならない疾患についても基本的知識を習得することができるような指導体制を整備している。研修は、協力型臨床研修病院である群馬大学医学部附属病院で行う。
眼科 科では網膜硝子体疾患(糖尿病網膜症、網膜剥離など)と加齢黄斑変性の診断と治療を中心として、眼科で扱うすべての疾患を扱っている。臨床研修では、まず指導医の下に視力測定、細隙灯顕微鏡、眼底の見方などの基本的手技を十分マスターする。病棟研修では白内障手術、緑内障手術、網膜剥離手術、硝子体手術などの見学及び助手を行う。研修は、協力型臨床研修病院である群馬大学医学部附属病院で行う。
耳鼻咽喉科 広く耳鼻咽喉科の知識、基本的検査、基本手技を習得することを目標とする。気道確保、鼻出血止血、食道及び気道の異物患者、めまい患者への救急時の対応、耳鼻咽喉科的な症状(聴力障害、めまい、嗄声、嚥下障害等)を呈する患者に対する適切な処置や問題解決ができることを目指す。また、人間の社会生活上不可欠な感覚器についての理解を深め、QOLの向上を考えた医療を考えることも目標とする。病棟においては中耳炎、難聴、鼻副鼻腔疾患、口腔咽頭喉頭疾患、頭頸部腫瘍等の手術の受け持ち医として指示、処置を行う。研修は、協力型臨床研修病院である群馬大学医学部附属病院で行う。
核医学・画像診療部 画像診断は現在の医学では欠かせない。エックス線CT、MRI、核医学検査(SPECT、PET)、超音波検査などの画像診断を適切に行って、病気をより正確に診断し、患者に最適の治療を提供することができる。中枢神経、頭頸部、胸部、腹部、骨など、ほとんど全ての診療科に関係している。研修は、協力型臨床研修病院である群馬大学医学部附属病院で行う。
病理部 検体の取扱いなど、病理業務にかかわる基本的知識と手技を習得すること。研修は、協力型臨床研修病院である群馬大学医学部附属病院で行う。
消化器科 日常診療で頻繁に遭遇する消化器疾患に適切な初期対応出来るように、基本的な診療能力を身に付ける。研修は、協力型臨床研修病院である公立富岡総合病院で行う。
地域保健(群馬県地域保健研修コース) 1ヶ月の研修で、実務を含めて保健所業務全般を学ぶことができる。高齢者福祉(老人介護施設での研修)や障害者福祉(施設見学)についても研修できる。研修を一定レベルに保ち保健所間の格差を排除するため、主要な研修内容は共通とし、県下の全保健所の医師が共同で研修を担当する。(但し、研修時期により保健所の業務曜日や業務内容が変わるため一部プログラムには変更がある。)研修は、臨床研修協力施設である群馬県藤岡保健所で行う。
地域保健(介護老人保健施設研修コース) 介護老人保健施設(老健施設)の法規上の位置付けを理解し、施設における医師の役割について研修する。ヒトは加齢とともに外観から身体各部分に至るまで老化による特有な変化が生じ、この現象から誰もが逃れることはできない。高齢者は必然的に日常生活行動を制約され、複数の疾病に悩み、慢性化しやすい。特に認知症は深刻な問題を投げかける。急速に進む高齢化社会に対応し、わが国では、平成12年4月に介護保険制度が発足し、要支援・要介護高齢者のケアに乗り出した。老健施設は疾病が安定した要介護者を対象に、自立を支援し、看護や介護、リハビリテーションを中心とした医療ケアと生活サービスを提供する施設である。研修は、臨床研修協力施設である介護老人保健施設しらさぎの里で行う。